現在はワクチン接種が進み、感染者数が減少しておりますが、
第6波と呼ばれる今後の感染拡大に備えるため、
感染予防対策を継続する必要があることから、
昨年同様、会場を三つに分散しての開催としました。
<燕会場>


<吉田会場>


<分水会場>


新成人のみなさん、おめでとうございます。
それでは、今年の私の式辞を掲載いたします。
式辞
本日ここに、成人式を迎えられた皆さん、
おめでとうございます。
心からお祝いを申し上げます。
また、公私ともにご多用の中、
ご臨席を賜りましたご来賓の方々に、
厚く御礼を申し上げますとともに、
今日まで新成人の成長を支えてこられた
ご家族の皆様にも、敬意とお慶びを申し上げます。
本来であれば今年の成人式は
三月二十一日に開催する予定でありましたが、
昨年から続く新型コロナウイルス感染症拡大の状況に鑑み、
十一月に延期することになりました。
現在はワクチン接種が進み、感染者数が減少しておりますが、
第6波と呼ばれる今後の感染拡大に備えるため、
感染予防対策を継続する必要があることから、
昨年同様、会場を三つに分散しての開催としました。
本来の姿とは違う形での開催となり、大変申し訳なく存じますが、
新成人にとって一生に一度の晴れ舞台を、
こうして皆様と一緒にお祝いできることを、
私は大変うれしく思います。
さて、新成人の皆さん。
私は今日皆さんに三つのことを伝えたいと思っています。
新型コロナウイルスは、私たちの日常を大きく変えました。
学校に通えない、ふるさとへ帰省もできない、
仕事やアルバイトもままならない。
これまで私たちが当たり前のようにあると思っていた日常が、
実は貴重なことの積み重ねで成り立っていることを痛感させられました。
明日また何が起こるか分かりません。
現在、「日本沈没」というテレビドラマが放映されています。
人間は往々にして不都合な事実や危機に直面しても、
「たいしたことない」「そんなこと起こるはずがない」と目をそらし、
適切な行動をとらない場合があります。
しかし、それでいいのでしょうか?
私が皆さんに伝えたいことの一つ目は、
成人になったことを契機に、
社会人としての自覚と責任を持って、
自分たちの目の前に起こっていること、
世の中で起ころうとしていることに真剣に向き合い、
一日一日を悔いなく充実したものにしていってほしい、
ということです。
一方、新型コロナウイルスは、新しい日常の到来、
リモートワークやオンライン会議に代表される
デジタル社会という未来像を示唆してくれました。
コロナ収束後の世界は、学校や仕事の在り方、人々の暮らし方、
さらには地域社会や国家の在り方まで大きく変わっていく可能性があります。
君たちが今後歩んでいく先には、
これまで経験をしたことのない未来が待ち受けていることでしょう。
その未来を君たちが漫然と迎えるのか、
それとも主体的に切り拓いていくのか、
そこにはとても大きな違いがあります。
皆さんに伝えたいことの二つ目。
それは、しっかりとした夢や目標を持っていろんな事にチャレンジして
ほしい。そして困難に直面した時も、けっして努力することを諦めず、
むしろピンチをチャンスに活かす発想で乗り越えていってほしい、
ということです。
今年、一年遅れで東京オリンピック・パラリンピックが開催されました。
コロナ禍の中、不安を感じる人も多い一方で、暗闇を照らす花火のように、
勇気づけられる名場面もたくさんありました。
白血病を乗り越え、再び夢の舞台に立った水泳の池江璃花子選手。
これまで何度も挑戦しては跳ね返えされてきた絶対王者・中国を破り、
ついに世界の頂点に輝いた卓球の水谷隼/伊藤美誠ペア。
両腕がなく両足の長さも異なる障害を持ちながら、
競泳女子背泳ぎで二つの銀メダルを獲得した
新潟県阿賀野市の中学三年生山田美幸選手など。
苦しい時も辛い時も決して夢を諦めず、
ピンチをチャンスに、ハンディを個性に活かすアスリートたちの姿に、
皆さんも多くの感動と勇気をもらったのではないでしょうか。
「十三年という年月を経て
『最後まで諦めなければ夢はかなう』ということを、
たくさんの方々に伝えられた」
これは、決勝で宿敵アメリカに勝ち、
金メダルを手に入れた日本女子ソフトボールチームのエース、
上野由岐子投手の言葉です。
2008年の北京大会で日本の金メダルに大きく貢献した上野投手ですが、
その後、ソフトボールが五輪種目から除外されたこともあり、
その情熱は消えかかっていました。
さらに大怪我、手術、という試練が上野選手を襲います。
しかし東京大会でもう一度金メダルを取りたいと自分を奮い立たせて努力した結果、
十三年の時を経て再び叶った金メダル。
「最後まで諦めなければ、夢はかなう」。
私は、この上野選手のメッセージが皆さんの心に届くといいなと思っています。
もちろん、長い人生の中には、
失敗したり悩んだりする時、心が折れかかる時が何度もあることでしょう。
しかしそんな時は、思い出してください。
ふるさと燕には、愛情を注いでくれているご家族や恩師、信頼できる友人がいることを。
そうです、「君たちはけっして一人じゃないよ。」
これが、私が皆さんに伝えたいことの三つ目です。
それらの方々の存在を勇気に変え、感謝の気持ちを忘れずに、
前に前に進んで行ってください。
君たちのふるさと燕市は、
「未来への夢やふるさとへの誇りを持てる『日本一輝いているまち』」を目指しています。
昨年、緊急事態宣言中に帰省できない学生に対し応援物資を贈ったことで、
燕市は全国的に注目されました。
今年の東京オリンピック・パラリンピックでは、
選手村の食堂で燕市の金属洋食器が採用され、
世界中から集まってきたアスリートたちの活躍に貢献しました。
そんな「ふるさと燕」を誇らしく思いませんか?
現在、燕市では、「つばめ若者会議」や「燕ジョイ活動部」を立ち上げ、
若い人の力をまちづくりに生かす取組を進めています。
彼らは今、来年の大河津分水通水百周年に向けて
燕市をPRする事業の企画を行っています。
また、インターンシップの受入施設「つばめ産学協創スクエア」は
年間二百人もの学生で賑わっています。
先月、市内で創業する人のためのシェアハウスが完成し、
今年度末までに更に二つの施設が整備される計画となっています。
このように、これまで幾多の逆境を跳ね返し、
そのたびに不死鳥(フェニックス)として蘇ってきた燕市は、
今回のコロナ危機もしっかりと乗り越え、
若者たちが夢を実現できるような新たな未来をつくろうと歩みを始めています。
この燕市の未来を輝くものとするためには、君たち若者の力が必要です。
私は、君たちがそれぞれ自分の夢や希望に向かって歩んでいくとともに、
これからの燕市、新潟県、日本の未来を切り拓く推進役として、
様々な分野で活躍してくれることを大いに期待しています。
結びに、本日の成人式にあたり、
一生懸命に準備してくれた実行委員の皆さんに
心から感謝を申し上げるとともに、
新成人の皆さんが築き上げていく未来が
素晴らしいものとなるようお祈りし、式辞といたします。
令和三年十一月二十日
燕市長 鈴木 力