燕大学は、中央公民館主催の講座。
1つのテーマを複数の視点で深く掘り下げて学びます。
令和3年度のテーマは大河津分水通水100周年に向けて『大河津分水と長善館』です。
2回目の講座は、9月25日(土)に分水公民館で開催。
内容は『橋竹之介と北越治水策』。
講師は新潟県立歴史博物館学芸員の田邊幹さんでした。

明治29年、明治30年、信濃川大洪水が起こりました。
高橋竹之介は、山縣有朋・松方正義に
大河津分水の建設などを提唱しました。
この建言書が『北越治水策』です。
講義の前半は、大河津分水を提唱した高橋竹之介の略歴や思想、
私塾・誠意塾について学びました。
もちろん誠意塾を開く前は、長善館で学んでいます。

後半は、『北越治水策』がどんな提唱だったのかを学びました。
明治29年の大洪水「横田切れ」の翌年に建言書として提出されています。
2部製作され、1部は弥彦神社に奉納されています。
度重なる洪水の根本的な解決として大河津分水が必要とし、
他に関屋分水などの信濃川の分水建設とともに、
新潟港湾の整備を一体的な構想として挙げています。
大河津分水が実現すれば、無数の堤防が守ることができ、
豊かな実りが実現できる主張しています。
実際に大河津分水完成後の洪水はなく、
コメの収穫などで誇れる新潟平野になっています。

北越治水策は、漢文で書かれており、
講師の田邉さんの訳によって私たちにもわかる説明をしていただきました。
また『北越治水策』が令和4年度の県立歴史博物館にて展示される予定とのこと。
詳細は後日という話もあり、とても楽しみです。
燕大学の3回目は、
建設に関わる燕市の私塾・長善館の人たちに
さらにクローズアップしていきます。